星座と光の物語

私はベッドに横たわったまま天井を見つめていた。

時計の針が深夜を指す中、頭の中は混沌としていた。

締め切りに追われる日々、会社での人間関係、そして漠然とした将来への不安。

これらが絡み合って、重たい霧のように私の心を覆っている。

「このまま朝を迎えても、何も変わらないんだろうな」

静かな夜に、心の中の喧騒だけが響き渡る。

ため息をつきながら体を起こし、ふと窓の外に目をやった。

すると、暗い夜空に小さな星が一つ、かすかに光っているのが目に留まった。

窓を開けて深呼吸をすると、胸に詰まっていた何かが少しずつ溶けていくようだった。

ふと、この狭い部屋を飛び出したいという衝動に駆られる。

星空を見上げれば、私の悩みも宇宙の広大さが飲み込んでくれるかもしれない。

そんな期待を胸に、星夜の世界へ一歩を踏み出した。

真夜中の街は、昼間とは全く違う顔を見せていた。

静寂が支配し、街灯の光だけが、ぽつぽつと闇を照らしている。

普段は気づかない細かな音が、今は耳に響く。遠くで鳴る犬の声、風に揺れる木々のざわめき、そして自分の足音。

道を進むにつれ、街の喧騒から遠ざかっていく。

小高い丘に着くと、芝生に腰を下ろした。頭上に広がる夜空を見上げる。

都会の光に遮られながらも、星々は健気に瞬いている。

大きな星座は形を保っているが、細かな星々は、目を凝らさないと見えない。

それでも、じっと見ていると、だんだんと星の数が増えていくように感じる。

幼い頃に祖父の家で過ごした夏休み。田舎の夜空は、まるで天井に星が散りばめられたかのように美しかった。

祖父はよく星座の話をしてくれた。

カシオペア座やオリオン座の話、北斗七星が指し示す北極星のこと。そして、流れ星に願い事をすれば叶うこと。

その瞬間、夜空に現れた一筋の光に思わず手を伸ばした。