詩人が惚れた酒器
かつて酒をこよなく愛し、酒と共に語られる、とある高名な詩人がいた。

昭和前期に活躍した彼のその作品の中には、日本全国を渡り歩き、
行く先で出会った酒器と共に酒を楽しむ体験を詠う、旅行記の形をとった詩集がある。

今回はその詩人のひ孫だという青年からの依頼だ。
彼はその手に詩集を取り出し、最後のページを開いたところで話を続けた。

「曾祖父の詩の中にはお約束のように、旅先で手に入れた酒器が必ず登場します。
お猪口、盃、徳利…と種類は様々ではありますが。行く先々でこれだと惚れたものを買い上げ、現地で購入した酒で一杯楽しんだのち、土産として持ち帰っていたもののようです。
ただ、そのお約束はこの一篇のみを除いての話です」

その一篇こそが開いていたページに記載された作なのだという。

「詩によれば、ここでの旅では見事な盃に出会うもそれを使って酒を楽しむことはできなかったとし、惜しみつつも旅行記における最後の旅としています。
無念のまま亡くなった曾祖父に代わって、酒を注げず呑めないまま帰ったというその盃を僕が代わりに見つけたい。彼が訪れてからかなり経っていますから、現代なら手段があるのでは、とも思うのです」

そう思って盃の場所を探ってみたものの、どこで盃に出会ったのか、どんな盃に出会ったのか、それを突き止めることが出来ず、我々のもとへ訪れたようだ。

彼が手に入れられなかったという盃を見つけ、親戚一同が集まる秋の彼岸に餞として発見を伝えるべく、盃に酒を注ごうとする様を残した写真を供えたいのだという。

詩が語る内容を手がかりに彼の詩が示す盃の場所を解き明かし、
盃を特定した後、持参した酒瓶と共に盃に酒を注いだ様に撮影し、報告せよ。
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2024.08.26 追記
なお、酒瓶の中身は入った状態で撮影すること。
ただしその種別については酒瓶同様、問わないものとする。
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君たちの健闘を祈る。

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